お久しぶりです。
ザムテック整備担当の月江です。
この度当社は整備工場を移転いたしました。
また今後は新工場にて整備ブログを更新していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
今回はスズキアルトにてエアコンの修理をご紹介いたします。
この車はエアコンガスが抜けてしまうのですが、エンジンルーム内のどこを見ても漏れ箇所がありません。
そうなりますと残るは室内のエバポレーターということになります。
部品も到着しましたので早速作業していきます。
まずバッテリーのマイナス端子を外しておきます。
車両ハーネスやエアバックを取り外すためです。
そのままエンジンルーム内で外さなければいけないものを外しておきます。
外す必要があるのは室内にあるヒーターコアにクーラントを通すヒーターホース、あとは今回の交換部品であるエバポレーターにつながるエアコンのパイプです。
あとはエアコンのケース本体をエンジンルームから止めているナットなどがある場合があります。
これを忘れるとケースが破損する場合があるため注意が必要です。
次はいよいよ室内をバラしていきます。
どこまでバラすかというと、全てです。
エアコンユニットは大体一番下に鎮座しております。
まずステアリングから外していきます。
ステアリングはまずエアバックを外す必要があります。
こちらは左右、下にある穴から棒を差し込んでロックを外します。
ロックのバネはかなり固く写真のように押すためここで使っているような六角レンチのようなある程度太さがあるものが良いです。
ステアリングはナットを緩め、ガタガタ振動を与えてスプラインの固着を外すのがコツです。
引っ張ってもなかなか外れないうえに外れた時に危ないです。
ステアリングが外れたらコラムカバーを外し、スパイラルケーブルを外します。
こちらはセンターがずれたまま取り付けると故障しますのでセンターが分からなくならないようにしておきます。
オーディオ、メーターを外します。
パネルはツメだけですので簡単に外れますがかぶっている順番がありますので注意して外します。
ワイパースイッチ、ウインカースイッチ等のコネクターを抜き取り外します。
パワステのモーター等多くのコネクターがありますのでそれらを確認しながら取り外し、ステアリング自体を外し下に置いておきます。
まだまだ外すものがたくさんあります。
助手席エアバック、エアコン操作パネル周辺を外していきます。
エアコンはワイヤー式ですので全部で三本ワイヤーを外します。
そのままダッシュボードにハーネス、骨組みをつけたまま外すこともできますが、一人でやっているので今回は取り出しやすいよう別々に取り出します。
ダッシュボードと骨組みの止まっている箇所をいくつか外します。
そのまま全部出す場合は外す必要はありません。
ダッシュボードがなくなるといよいよエアコンユニットの全貌が見えてきます。
あとはこのパイプとハーネスを丸ごと取り出すだけです。
両脇のメインハーネスの接合を全て外しパイプの止まっているボルトを外し、いよいよかと思いましたが、嫌な感触が。
あ、これもエンジンルームから止まっているな。
エンジンルーム側から見てガッカリ・・・
ダッシュボードを止めているボルトが見えません。
というより位置からしてどう見てもワイパー周辺を外さなきゃいけないようです。
ワイパー、カバー、ワイパーモーターとリンクを全て取り外し、丸いカバーを外すとやっとボルトが見えました。
この1本を外すためにここ取るのか、と一瞬で悟りガッカリしました。
やっとエアコンユニットとご対面できました。
エンジンルーム側は外してありますので、室内のボルトナットを外せば摘出できます。
エアコンユニットがなくなるとほぼ何もなくなります。
エアコンユニットを分解してエバポレーターを取り出します。
エキスパンションバルブやサーミスタなどのここまで分解しないと交換できない部品も同時に交換します。
後は組み上げて気密テスト後にエアコンオイル、エアコンガスを充填し作業完了となります。
エアコンのエバポレーターからのガス漏れは年数回見る内容です、エアコンが効かなくなってしまった場合は何が原因かによりかかる費用も変わってきてしまうため早めに点検をおすすめいたします。
新工場で作業環境も格段に良くなりましたので、皆様のご来店を心よりお待ちしております。