今回はカイエン958のブレーキパッド交換をご紹介いたします。
ドアロックアクチュエーターの交換でご入庫された車でしたが、作業後点検しているとブレーキパッドが無い状態でしたのでそのまま追加作業させて頂くことになりました。
ありがとうございます。
作業前の準備としましてまずリザーブタンク内のブレーキフルードを抜き取っておきます。
ブレーキパッドは残量が減るとその分ピストンが出ることによりリザーブタンク内のブレーキフルードが減っていきます。
カイエンは各ブレーキにセンサーが付いて残量を見ていますがセンサーの無い車はフルードの量が減ることで警告灯が点灯し運転手にブレーキパッドが無いことを伝える役目も果たしております。
新車時に合わせてあるブレーキフルードはパッド残量に応じて減っていきますが車検などでブレーキフルードの交換などを行うとそのままタンクにフルードを足してしまうのでパッドを交換すると溢れてしまいます。
ですので最初にフルードを抜き取っておきます。
早速フロントから作業していきます。
改めて見ると全然残量がありません、2ミリもないと思います。
ブレーキパッドセンサーのコネクターを抜いてブラケットに止まっている部分も外しフリーにしておきます。
スピードセンサーのコネクターも外せば完全にフリーになります、交換作業で引っ張ってしまい配線にダメージを与えないようにまず処置しておきます。
次にブレーキフルードの配管をフリーにしていきます。
フロントはアームに沿って固定されているので外します、これをしておかないと重いキャリパーで配管が曲がってしまいます。
上はトルクスで一本止まってます、このような薄い工具があるとやりやすいです。
下は奥にボルトが一本ありますのでこれも外します。
これで配管はフリーとなりますのでキャリパーを外していきます。
キャリパーは正面からトリプルスクエアのボルトが二本止まっています
配管を曲げないようにキャリパーを外します。
この時ローターが削れて端が残っていると引っ掛かってキャリパーが外れないので少しピストンを押して緩くすると良いです。
キャリパーが外れました、これでパッドが交換できます。
キャリパーは結構重く持ったまま作業しづらいのでこのように吊っておくと配管も配線も痛めません。
工具を使用してキャリパーのピストンを戻していきます。
面取りをしてグリスを塗ったブレーキパッドをキャリパーに装着していきます。
あとはしっかりセンサーのコネクターをロックがかかるまで差し込み、キャリパーを取り付けたら外した配管、配線を元に戻し完成です。
欧州車のブレーキパッドは特にパッド残量だけでなくブレーキローターも削れて減っていくため、状況を見てローターの研磨や交換を併せて行う必要があります。
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